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ロジカルシンキングの効用:常識を疑う

ビジネス人にとって、ロジカルシンキングを身につける最も大きなメリットは、「常識の罠(わな)」から解放されるチャンスが手に入るということです。

日常業務に追われ、ビジネス人の視野は常に「収斂する」傾向にあります。特に、仕事ができる人ほど、日常の仕事をこなすための「自分なりの型」「自分の仕事術」を作り上げてしまい、その「常識」の世界の中から抜けられなくなっているものです。

確かに、「今までうまくいっていたものを変える必要はあるのか?」という反論もあるでしょう。また、「地に足の着いた発想をするためには、常識を無視した思考方法は役に立たないし、かえって危険な方法ではないか?」ということもできるでしょう。

常識やこれまでの成功体験は大切です。また、事業を着実に発展させていくためには、これまでの経緯から発想することの方がリスクは小さくなります。また、実践の世界では、従来の経緯から事業展開するのが当たり前です。

しかし、ここで強調していることは、「従来通用してきた方法や考え方が今後も通用する確証はどこにもない」ということなのです。ですから、事業環境が不変で、大きな枠組みは変化させる必要がないなら、「常識」は常識として維持してよいのです。その際には、より小さな部分について、ロジカルシンキングしていくといいでしょう。伝統は、不断の改良によって生き抜いてきたものです。どんなに安定的な事業環境であっても、常に確信を遂げることは、事業の継続に役に立つものです。

もし事業環境や仕事の内容が変化しやすいのであれば、ロジカルシンキングを大きな枠組みにも応用できるということです。

社会が急激に変化する今日では、1分前は「常識」でも、1分後には「非常識」になるというようなことも珍しくありません。激動する環境の中にあって、常に環境分析を行い、事故の能力・資源を最適化することが、できるビジネス人に求められるのです。

そのときに、ロジカルシンキングは大きな貢献を果たしてくれます。それは普遍的な思考方法を提供してくれるからです。ロジカルシンキングは特にものめずらしいものではありませんし、「最新」と銘打つには古すぎるものです。反対に、伝統的な思考方法だからこそ、その高い通用性をうかがい知ることができます。

今、成功しているビジネスモデルや事業、仕事手順などを常に「懐疑的に」観察することがビジネス人として、今後さらに重要になるでしょう。現状のビジネスモデル、事業、仕事手順の強みと弱みを把握し、環境変化に対応した最適化を迅速に行う訓練を行うようにしましょう。

「環境がこのように変化したら、〇〇しよう」

これは、環境変化に対応するという問題についての仮説です。その仮説に基づいて、結果はどのように変化するのかを検証します。

このようなロジカルシンキングを常に行うことで、突発的な問題の発生にも迅速に対応することができます。

ロジカルシンキングの型:ロジックツリー

ビジネスで扱う問題事象は常に複雑で、込み入っています。科学などで扱う問題と異なり、「これが答えだ!」というようなシンプルな結論にたどり着くことは稀です。

ロジカルシンキングの基本の基本として、複雑な問題事象を解きほぐし、ある程度客観的な関係性に視覚化していくための型が必要となります。それが「ロジックツリー(Logic Tree)」です。

ロジックツリーは、複雑な問題事象を解決する際に、一番最初に取り掛かるとロジカルな思考がしやすくなるものです。

複雑な問題を「目的」によって問いただしながら、次々に枝を作っていくことで整理していきます。

普通、問題の原因を究明したいくための「WHYロジックツリー」と、解決策を求めていくための「HOWロジックツリー」があります。

ロジカルシンキングの型:マトリックス


そこで、「問題をどのように捉えるべきか?」というロジカルに考える基本の基本となる思考方法が必要になります。その型が「マトリクス(マトリックス、Matrix)」です。

マトリックスは、2つの軸(尺度・要素)で問題を整理していくロジカルシンキングの型です。

マトリックスには様々な整理の仕方があります。基本はすべて「2の軸(尺度・要素)で問題を整理する」ということです。

しかし、その2つの軸の尺度をどのように取るかによって、型の表現は変化します。

(1)尺度が二値→4つの象限ができる
(2)尺度を二値以上にする→6以上の象限ができる
(3)尺度を連続値にする→点間の位置が意味を持つ

このマトリックスという型はロジカルシンキングでよく利用される定番型です。

ロジカルシンキングの型

ロジカルシンキングには、何よりも「型」が必要となります。では、型にはどのようなものがあるのでしょうか?

学問、特に科学の世界では、仮説思考というロジカルシンキングが使われてきました。問題解決するべき対象の問題を分析して、その解決策を「仮説」します。そして、その仮説に基づいて「実験」し、その有効性を「検証」するという「型」です。

この思考方法は世の中の多くの問題解決に応用できる「汎用性」があります。最もスタンダードな型の一つといえるでしょう。

ただし、ビジネス人にとっては、必ずしも「実験できる」状況が常にあるわけではありません。一発勝負というケースがほとんどなのです。そこで、ビジネス人に求められる型が必要になります。

ビジネス人に必要となるロジカル思考

ビジネスで活躍しようという人にとって、ロジカルシンキング(Logical Thinking)、論理的思考は最も重要なスキルだといっていいでしょう。

そもそも、ビジネス人は、職種や業種の違いはあれ、「問題解決をする」ことが仕事の中心となります。必然的に、「問題解決の効率を上げる」ことが求められるわけです。ビジネス人として、評価されるためには、効率的に問題解決をしていくというパフォーマンスを出していかなければいけません。

そこで役に立つのが「ロジカルシンキング・論理的思考」なのです。

ロジカルシンキングのかたち


論理的思考は、学問・科学の世界で長年にわたって受け継がれてきた様式(スタイル)で、物事を客観的に分析し、問題解決していくための思考方法です。そして、ビジネス・実践の世界でも、その有用性は証明されてきました。実際、多くの革新的なビジネスモデルはロジカルシンキングの積み重ねによって導き出されたものでした。

そもそも、古来、成功した商人の多くは意識せずにロジカルシンキング、論理的思考で考え、行動し、多くの富を得てきました。確かに、シルクロードを旅して富を蓄えた商人のロジカルシンキングと、江戸時代の越後屋のロジカルシンキングは同じものではありません。時代と場所によって「勝てる論理」は異なるものです。しかし、その基本となる「ロジカル」な思考方法は、世界共通です。

ロジカルシンキングの定義


ここでは、ロジカルシンキングを以下のように定義します。

「問題を解決するための論理的な思考方法」

では、この「論理的」とは、どのようなことでしょうか?

論理的であるということは、何か「論」という型、決まり、ルール、システムに当てはめてみるということです。

ですから、ロジカルシンキングをわかりやすく、簡単に説明すると、

「問題を解決するために、問題を型に当てはめて考える方法」

ということです。